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CASE02 RCT編

統計解析だけでなく、臨床研究の入口から出口までご支援いただきました。

VICTORY (二次性副甲状腺機能亢進症を呈する血液透析患者における静注VDRAと静注カルシミメティクスの血清石灰化傾向(T50)に対する効果:ランダム化比較試験)

庄司哲雄 先生
大阪公立大学大学院 医学研究科 血管病態制御学 研究教授
血管科学TRセンター 副センター長

統計家とコラボして感じたメリットはなんですか?

コラボのメリットは、なんといっても専門的な統計手法を駆使して解析していただけることです。また研究デザインの段階から主要評価項目の設定、サンプルサイズ計算、データの取扱い、欠測値への対応方法などについてもアドバイスを頂き、研究の入口から出口までの見通しを一緒に立てていただきました。実はこれが最も大きなメリットかもしれません。

統計家は「統計解析に詳しいだけの人たち」だと思っていませんか?新谷チームは違います。統計解析はもちろんのこと、いろんな形の臨床研究に造詣が深い専門家集団です。一度お付き合いしてみて損はしないと思います。

これから臨床研究をしたいと思っている方へひとこと!

臨床研究は非常にシンプルで、計画書に従って誠実に実施すればいいのです。だから計画書が書けたら研究は半分出来たのと同じです。計画書というシナリオに沿って進めれば、データの収集、データマネジメント、統計解析などは問題なく流れる「はず」ですが、臨床研究ではたいてい「想定外」が起こります。それらさえも事前にどれだけ想定し対策を講じておけるかが重要です。

そのためには、自分ひとりで考えるのではなく、統計家をはじめ各部門の担当者と事前に詰めておくことがお勧めです。特に多機関共同研究の場合は、認識と手順を標準化するために調整事務局も重要になります。このチームには専門的知識と経験豊富なスタッフが揃っており、臨床研究にとって大変恵まれた環境にあります。他の大学からは羨望の的になるほどなんです。

さあ、温めてきたアイデアを計画書にまとめて、統計家に相談してみましょう。きっと心強い支援が得られるはずです。知らないことは恥ずかしがらずに質問しましょう。足りない知識は走りながらでも学べばいいのです。失敗を恐れ過ぎず、まずは最初の第一歩を踏み出しましょう。

多職種共同作業でチームの能力を高めるためには、相互に信頼し自由に意見を述べられる環境を作り、メンバーの意見に耳を傾け、よりよい提案(解決策)を引き出すことが大切です。そんな共同作業中に不意に、不思議な「幸福感」に襲われることもあります。研究って幸せを感じるんです。私だけではなく研究チーム全員に幸せを感じてもらえるような研究を目指して、私ももっと経験を積みたいと思います。

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